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月明りの中で聴く八重山民謡「とぅばらーま」

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石垣島では、毎年旧暦の8月13日に「とぅばらーま大会」が行われています。
十五夜の二日前の十三夜。
その美しい月を背景に抒情的な三線の音色と心にしみる歌声が響き渡ります。
とぅばらーまとその大会についてご紹介します。

とぅばらーまとは

十三夜

とぅばらーまの語源は諸説がありますが、昔は三線を伴わず、男女で歌を掛け合っていたそうです。

風鈴

野良仕事しながら、自分の気持ちを歌にして相手に届ける、そして相手からも歌のお返しがあるなんて素敵!

現在は同じ旋律に思い思いの歌詞を三線の音色とともに歌います。
男女の掛け合いは今も残っています。
昔は恋歌が多かったですが、今は、ふるさとを想う気持ち、親・家族への歌、戦争、人生など多岐に渡った歌詞を唄います。

とぅばらーま大会

「とぅばらーま大会」は1947年から続く伝統の民謡大会です。
予選を通過した約15名前後の歌い手がとぅばらーま大会に出場し、チャンピオンが決定します。
年齢も10代から70,80代までの様々な方が歌います。
迫力のある歌声や、情緒あふれ心揺さぶられる声、どの歌声も十人十色で同じ旋律でも全く違って聞こえます。
歌詞はそれぞれ違うのでまた違った雰囲気。
方言で歌いますが、歌う前に歌詞の説明があるのでそれを念頭にして聴くと情景が頭に浮かんできます。

予選を通過した方が三線を弾きながら歌い、その隣でハヤシの方が歌います。
女性が歌う時は男性のハヤシ、男性が歌う時は女性のハヤシです。

風鈴

予選には関西枠があり、関西の代表1名が入ります。
石垣では毎回約2倍の挑戦者がいます。

ここ数年の場所は石垣市新栄公園で行われます。入場無料!
月夜の下でとぅばらーまを聴くのは最高ですが、近年はオンラインの同時配信で聴くこともできます。


また、歌唱の部でチャンピオンが審査員によって決定しますが、その前に作詞部門もあり入賞の方々は表彰もあります。
とぅばらーまを通して方言も後世に継承していくことはとても重要だと思います。

風鈴

歌唱の審査は声量や声質、タノール(情感)、発音などで評価します。

なかどう道ぬとぅばらーま祭り

なかどぅ道ぬとぅばらーま歌碑広場(Googleマップ)では毎年とぅばらーま大会の前日に「なかどぅ道ぬとぅばらーま祭り」が開催されています。
とぅばらーまの代表的な歌詞がこちらの歌碑になっています。

とぅばらーま歌碑

代表的なとぅばらーまの歌詞と意味

なかどー みちぃ から ななけーら かよーん け(仲道路を七回通ったのに)
なかすぃじぃ かぬしゃーま そーだん ぬ ならぬ(仲筋家のカヌシャマは相談ができない)
*カヌシャマは人名
*相談は縁組の相談

シンボルとなっていた「仲道の三番アコウ」は現在台風や腐食によって姿が変わりました。

三番アコウ

こちらで行われる「なかどぅ道ぬとぅばらーま祭り」は老若男女問わず舞台に立ち、観衆の指笛と拍手を受けながら、感情豊かに歌声を響かせています。

風鈴

とぅばらーま大会とは違って、こちらはライブを楽しむ感覚です。

歌い手と観客が一体となって楽しめる「なかどぅ道ぬとぅばらーま祭り」を聴く機会があればぜひどうぞ!

アートホテルの「観月とぅばらーまの宴」

アートホテル石垣島では「とぅばらーま大会」の翌日に「観月の宴」が開催されています。
歴代のチャンピオンの歌を楽しみながら、アートホテルのシェフ料理を楽しむことがこちらの目玉となっています。
松花堂弁当だったり、屋台料理だったりその年度によって様変わりします。

風鈴

美味しい食事とお酒、そして歴代チャンピオンの歌を聴きながらの観月会はとても素敵です。
人気の宴なのでチケットは早めにゲットしてくださいね。

このようにとぅばらーまは八重山の人々にとても浸透している重要な文化です。
この時期に訪れる時はぜひ「とぅばらーま」を楽しんでくださいね。

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