カンムリワシは日本では八重山諸島でしか出会えない国指定特別天然記念物です。
国内希少野生動植物種に指定され、環境省レッドデータブックでは絶滅危惧種1Aにランクされています。
近年、交通事故でカムリワシが怪我をしたり死亡する件数が増えています。
石垣島でカンムリワシが見られる場所をご紹介しますので、その近辺では運転に十分注意してくださいね。

カンムリワシってどんな鳥?
カンムリワシは名前の通り、興奮すると後頭部の羽(冠羽)が逆立ち、冠をかぶったように見えます。
鳴き声は「ピィピィピィ」「ピューピュー」 と高い声で鳴きます。

元プロボクサー・具志堅用高氏の異名でもあります。
成鳥の特徴

遠くからですと、全体的に茶褐色に見えますが、身体の下側は白い斑点があります。
頭部の羽毛が黒い。
顔の周囲とクチバシの先はグレー。
目の周囲とクチバシの付け根、足などは黄色です。
飛ぶ姿は浅いV字型です。

カラスより一回り大きいです。またメスはオスに比べ若干大きいと言われています。
幼鳥の特徴

幼鳥の頭部やお腹が白い羽毛に覆われています。

全体的に白っぽいので見つけやすいです。
とても美しい白い天使です!
カンムリワシの生態
カンムリワシの生態
・1月頃~ 繁殖期(求愛給餌等)
・2月~4月 交尾、巣作り(オスが巣材を運び、メスが整える)
・3月下旬~5月下旬 抱卵期(1つだけ卵を産む)
・5月下旬~8月上旬 育雛期(オスが狩り、メスが給餌)
・8月~9月 巣立ち

完全な成鳥になるには2~3年かかると言われています。
ペアリングして繁殖可能になるのは4年目以降です。
主なエサは、
カニ、カエル、ヘビ、トカゲ、ミミズ、バッタなど。
その他に、車にひかれて死んだ動物などを食べます。
その場で食べる習性のため、近年カンムリワシの交通事故が増加していています。
また、電柱や高い木の枝にとまって、田んぼや畑、道路に出てきた獲物を待ち伏せする狩りを行います。
地上を歩いてエサを探す時もあります。

遠すぎてわかりにくいですが、田んぼで歩いているカンムリワシを発見しました。
カンムリワシ観察場所と注意点
カンムリワシの観察は冬場が最も適しています。
基本的に水田やマングローブの他、電柱や電線、高い木などに止まっています。
カンムリワシ観察場所
・野底付近(於茂登トンネル~野底~伊原間方面)
・名蔵付近(水田など)
・伊野田・玉取崎周辺
・農林水産部農業研究センター付近
市街地ではほとんど見かけませんが、上記以外でも車を走らせると高い場所や木々の中でカンムリワシを見つけることができます。
また野底では多くのカンムリワシが生息しているため、いつも同じ場所で見かけます。
道路にいる場合もありますので、運転はゆっくりとお願いしますね。
野鳥観察のNG行動
・必要以上に近づく(✖)
・餌付け(✖)
・ヒナをひろう(✖)
・素手で触る(✖)(保護の時も、手袋やビニール袋等で)
・野鳥の飼育(✖)保護したまま飼うことは違法になります。
カンムリワシの保護
もし、怪我をしている、弱っている、死んでいるカンムリワシを見つけた時は、環境省に連絡をお願いします。
環境省石垣自然保護官事務所(0980-82-4768) 時間外(090-5287-6119)
石垣市教育委員会文化財課(0980‐83‐7269)
上記に連絡が入れば搬送し、たまよせ動物病院(野生動物救護ドクター)で治療が行われます。
治療後は「やいま村」でリハビリをして放鳥となります。

やいま村にいる終生飼養のよんなーくん。
交通事故に遭い、左翼を骨折した後遺症で翼を広げることができず、野生にもどることはできません。
また、以前はゲージは足りなくリハビリの場所の確保が大変でしたが、最近クラウドファンディングにより新しいリハビリゲージができました!


野生復帰を目指すカンムリワシは人慣れを防ぐため公開していません。
ケージ内に目隠し等をしていますが、見えてもそっとしてあげてくださいね。
また、救護されたカンムリワシには、足輪をつけて放鳥していますので、もし足輪をつけたカンムリワシを見つけたら
カンムリワシリサーチさんへご連絡をお願いします。
カンムリワシリサーチHPはこちら
バードウォッチングの事前準備
カンムリワシを観察するなら事前に準備しましょう。
まずは図鑑。カンムリワシのウォッチングだけでなく、色々な鳥もいるので事前に調べてから行くと楽しさ倍増です。
石垣島でバードウォッチングするならこちらの図鑑がおすすめです👇
石垣島の野鳥図鑑です。探鳥ポイント50(マップコード付)です。
しかもこちらの著者はカンムリワシリサーチの小林さん。撮影したのも小林さんとのことです。
鳥をはじめ、自然に対しても熱い想いを持っていらっしゃいます。
Amazonレビューも高評価です!
そして双眼鏡を購入するにあたってのおすすめポイントを紹介します。
双眼鏡もピンキリありますが、今回は初心者用の双眼鏡です。
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・安くても1~2万円台程度から選ぶ(数千円のものはNG)
・おすすめの倍率は8×30
・ズーム式は購入しない。
・フリーフォーカスやオートフォーカスのものは購入しない(ピント調節ができない)
・ニコン、オリンパス、ライカなどのメーカーがおすすめ(メーカー保証のあるもの)

8×30とは倍率は8倍、対物レンズの口径が30ミリという意味です。
口径が大きくなるほど明るいですが、重くなります。
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でも、こんな高価な双眼鏡はバードウォッチングの経験を何度もしてから買うべきですね!
カンムリワシの雄大な姿が見られるのは八重山諸島の西表島と石垣島。
自然を守ることは同時にカンムリワシを守ることにもつながっていきます。
また、運転は「よんなーよんなー」で行きましょう~。